皆さまこんにちは。
今日は実は世界中に存在するドラゴン=竜神について話をしてみたいと思います。
僕はよく海外へと向かう飛行機に乗ると、なぜか昔から隣に座った人から「お前の宗教は何だ?」とよく聞かれます。
欧米人、アフリカ人、インド人、ラテン系の方々など、とにかくありとあらゆる人種の人々とよく互いの宗教観について話をしてきました。
話が最初から合うのはやっぱりインド人などアジアの多神教をベースにしている人たちで、八百万の神なんていう言葉も彼らはシンプルに受け入れますね。
逆に、というか議論として互いに熱くなるのが一神教を信奉する人々。
ある時、隣がナイジェリアの方で彼はもちろんクリスチャンでした。
「お前の宗教は?」と聞かれ僕は迷わず「I believe in natural spirits.(多神教的な自然の神々を信じる)」と応えたんですね。
そしたらそのナイジェリア人はなんて可哀想な奴なんだ、という哀れみの眼差しを浮かべながら、「俺はキリスト教を信仰すはる前はほとんど盲目だった。キリスト教のおかげで目が開いたんだ。だからお前もキリストを信仰しなさい。」と熱く諭されました。
僕は彼らの国民的ミュージシャンであるFela Kutiを引き合いにだしながら、アフリカにも元々ある多神教的な民間信仰について話しました。
「アフリカにも元々は土着的な豊穣の女神の信仰があるだろう。ただ、キリスト教の中の隣人への愛という教えは本当に素晴らしい。あれこそ普遍的な愛の教えだ。」と。
そしたらそのナイジェリア人とはすっかり仲良くなってしまいまして、その後数時間お酒を飲みながら本当に深く語り合いました。
世界中に豊穣の女神信仰は存在し、そしてどこへ行っても豊穣をもたらす循環のシンボルはドラゴン=竜神です。
モロッコの隣にあるスペイン領カナリア諸島にドラセナ・ドラコ(ラテン語で竜の樹、の意)という植物がありまして、写真のように樹齢が1000年を超えるものもあります。
和名は竜血樹(りゅうけつじゅ)で、文字通り竜の血のような真っ赤な樹液を出します。
自生地では樹齢の高いものは聖木として大切にされていて、まさに太古からのドラゴンの記憶を宿す植物であると言えるかもしれません。
そして沖縄ではニライカナイは竜宮、そしてニライ神はつまり竜神ですね。
久高でも豊かな循環の祈願の祈りを竜神様に捧げます。
そして、先日僕が奉納演奏をさせて頂いた群馬板倉の雷電神社では社殿の裏手に竜神の沼があり、その辺りには沖縄の拝所である御嶽(うたき)にたいへんよく似ている森林がありました。
おそらく古来から水害や雷害の多かったこの地方の人々が安らかで豊かな循環を竜神様に祈願していたに違いありません。
そして最後に。
先日奥多摩の氷川にて。
山の専門家、低山トラベラーである大内征さんと有志を募って組んだツアーでのフィールドワークの最中に、明らかに竜神への祈りの痕跡を感じる淵に出会いました。
思わず足を止めての奉納演奏。
僕らの生活に近い場所でも、いたるところ竜神様は姿を現わすんですね。
それはそのまま地球への祈りに繋がります。
この記事へのコメントはありません。