3/30の夕刻についたカトマンドゥの空気は本当に澄んでました。
翌3/31は満月ということもあり、高地である首都カトマンドゥの夜空に浮かんだ赤から黄身色に変わっていく美しい月は一生忘れられないと思います。
二日目の目的地は古都パタン。
パタンはカトマンドゥ盆地で一番古い都市とされる街であり、ヒンドゥーの神々をまつった寺院や手工芸品を売る露店などが並びます。
特にシャキャ姓(ブッダを出したシャカ族の末裔とされる、ネパールはブッダが生まれた街ルンビニーがあることでも有名)を名乗る人たちが手がける仏像が名高く、その一部は日本の仏閣にも輸出されているそう。
特に僕が興味を抱いていたのは生き神クマリ。
クマリとは、カトマンドゥ、バクタプル、パタンに住む生きた女神であり、ある一定の仏教徒の家柄で満月に生まれた少女が厳正な審査とイニシエーションのもとに選ばれ、初潮をむかえるまでクマリとしての役割を果たします。
国王でさえもその前ではひれ伏すといわれ、国家の平和のシンボルでもあります。
パタンにあるクマリの館からまれに顔を出すという話を聞いていたので、語学学校「ALL BRIGHT」の先生方と行かせて頂くことにしました。
まずはパタンの寺院でヒンドゥーの神々にキャンドルと祈りをささげてご挨拶。
なんというか祝福されているという感覚をを覚えました。
心からの。
ヒンドゥーはやっぱり祝福の信仰なんですよね。
感謝の気持ちが自然とわき上がります。
来させてくれてありがとう、という。
いよいよ旧市街にたたずむクマリの館へ。
いかにも威厳と雰囲気のある素敵な建物の造りに見とれていると、ALL BRIGHTの日本語教師クリシュナさんが中庭のベンチで厳かに座って談笑しているおばあさん二人に「クマリはこの上にいらっしゃいますか?」と聞いてくれました。
彼女たちは優しい微笑を口元にうかべながら、静かに2階を指差します。
入っても大丈夫だよ、というのでしょう。
僕らは靴を脱ぎ2階に上がりました。
するとそこにはラッキーなことにクマリのお付きの女性がたまたま居合わせ、クリシュナさんの「謁見させていただけますか?」という申し出に、優しく微笑んでOKしてくれたのです!
クマリの部屋の前で右手を洗い中に入りしばらく待機。
ゆっくりと歩いて出てきたクマリはおよそ五歳くらいの少女で、彼女が発しているバイブレーションは優しさと無邪気さに満ちていました。
静かに座についたクマリは、なんと一人一人にの額にティカ(ヒンドゥー教徒が額につける赤い斑点、守護や祝福の意味をもつ)を施してくれたのです。
今年の旧正月まで後厄だったいうこともあり40代に入ってから僕自身心と身体が様々な変容をしていく中で、クマリの発するピュアでピースフルなエナジーは僕の身体の芯まで染み入りました。
ヒンドゥーの神々が持つ守護(日本で言う厄よけですね)と癒しのエナジーに迎えられ、クマリが伝統的に発している祝福のバイブレーションに包まれるという何とも幸運で幸せな時間を頂き、大きな流れの中で僕の厄(やく)に対する一つの鍛錬が完結したのだな、という本能的な確信を抱きました。
ありがとう、感謝の一言。
人生は鍛錬とギフトの連続ですね。
いつもセットでやってきます。
祈願と感謝は世界中のシャーマニズムのベースです。
心から幸せな感謝の気持ちを抱きながら館を後にすると、クマリが二階の窓から微笑を浮かべながらこちらを見送ってくれてました。
思わず手を振ってしまいましたね。
少し失礼でしたが。
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