皆さま、こんにちは。
お元気でいらっしゃいますでしょうか?
もうすぐ旧正月。
寒さの中にも風の奥にかすかな春の香りが芽吹くころですね。
さて、先日1/11に投稿させて頂いた「旅とシャーマン」が思いのほか好評を頂きましたので、その続編を少しお届けしたいなと思います。
続編と言っても時系列としては過去にさかのぼります。
僕が西アフリカへ行くことを決意した場所、キューバでのお話です。
僕は学生時代はもともとロックやレゲエが好きだったのですが、恵比寿にあったキューバ料理店「ボデギータ」でバイトをしているうちに、徐々にキューバ音楽にハマっていきました。
ブルースやジャズ、ラテン音楽などロックのご先祖が、実は西アフリカにルーツを持っていることを知ったのもこの頃でした。
そしてキューバには”奴隷”として連れて来られた西アフリカのヨルバ族の音楽が残っていて、それが宗教音楽「サンテリア」として今も演奏されているんですね。
サンテリアはアジアにも通ずる多神教的な神話の世界観を持っていて、神様も本当に多種多様。
雷の神様「チャンゴ」や。
十字路の神様「エレグア」。
そして浄化の力をもつ女神「オバタラ」など、古事記にも通ずるような色鮮やかでなおかつ”人間臭い”神様の物語が伝わってます。
面白いなと思ったのは、アメリカ南部のブルースの中にもこのヨルバ族の神話が息づいている、ということ。
ヨルバ族は奴隷として新大陸に連れて来られた後も自分たちのリズムと唄を残したんでしょうね、おそらく命懸けで。
映画「クロスロード」のなかでロバート・ジョンソンは十字路で悪魔に魂を売り一夜にしてブルースギターの達人になったとされていますが、この作中で描かれている「レグバ」は実はヨルバ族の神「エレグア」だったというのが真実のようです。
彼は悪魔に魂を売ったのではなく、実は十字路の神様「エレグア」に祈って活路を見出したんでしょうね。
僕はそんなキューバの東端にある古都「サンティアゴ・デ・クーバ」にてサンテリアの司祭=ババラオであるガブリエルにサンテリアのリズムを習いました。
アフリカの躍動感そのものであるヨルバ族のリズムは、まさに僕の魂を揺さぶりました。
一通りリズムをレクチャーした後、ガブリエルは僕にこう言ったんですね。
「俺たちはアフリカから来た。お前もアフリカに行け!」
そして僕はその翌年には西アフリカへと旅立つことになります。
(写真クレジット:maquita, Google)
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