皆さま、こんにちは。
徐々に寒くなってきてますね。
しかも気候も気温も本当に不安定。
今年は夏が本当に暑かったですし、この寒くなりかけが一番たまった疲れが外に出るときかもしれません。
風邪等もひきやすい時期ですので、くれぐれも無理せずに休むところはしっかり休んでくださいね。
今日はちょっと癒しというところにフォーカスして植物の話をさせて頂きたいと思います。
というのも、最近アフリカに強いある旅行代理店さんより、アフリカの植物の講座を開きたいので講師をやってもらえないか?というたいへんありがたいお話を頂いたんですね。
僕はアフリカに行った際に音楽だけでなく植物もたくさん見てきたので、旅と民族学と植物、みたいなお話が大好きなんです。
ということでその講座でも話す予定でもある、僕が大好きな南アフリカの多肉植物のお話を今日はさせて頂きますね。
南アフリカは本当に生物が多様で、なんと地球上の植物の約20%がこの地に自生すると言われています。
一番僕が素敵だなと思うのがトップにも掲載させて頂いたメセンと総称されるハマミズナ科の植物です。
この植物は見て分かるように石に擬態してます。
まさに普段は石のようにじっとして目立たないでいて、動物からの食害を防いでいるんですね。
ところが、です。
雨期の後に一斉に開花してくるんですが、その花が実に美しいんですね。
こんなふうに、まるで砂漠が一夜にしてお花畑になってしまうんです。
ガーベラなんていう美しい花をつける植物もこのメセンの一種です。
そして開花期間も一週間弱と短いので、一週間後にはまるで何事もなかったかのように元の砂漠に戻ってしまうんですね。
もちろん植物自体はしっかり生きてるんですが。
他にもパキポディウム、っていうまるで宇宙生物のような見た目をした植物や。
奇想天外、という和名のついた終生2枚の葉を伸ばし続ける不可思議で奇怪な植物もあるんです。
ちなみにこの植物の学名はウェルウィッチア・ミラビリスと言いまして、魔女のウィッチにちなんだ名前がついてますね。
ウィッチで思い出しましたが、南アフリカはウィッチ・ドクターっていう民間の治療者が各地にいまして、数多くある南アフリカの薬草を使ってそれを組み合わせて患者に処方します。
つまりメディスンマンですよね。
南アフリカはアロエのエキスを濃縮したコンクが雑貨店や商店に常備されていて、火傷だけではなく風邪や外傷などありとあらゆる炎症に効く万能薬として売られています。
もともとやっぱり人と植物が伝統的に共存してきた土地なんでしょうね。
そしてそして。
僕が一番面白いなと思っている植物が、ホーディアというサボテンのような形をした多肉植物です。
この植物は、実は地元のサン族(日本ではブッシュマンの通称で知られる)が狩りに行く際に食べるんです。
そして一度食べると、三日間はお腹が空かないと言われています。
つまり、何日間か狩りに出かける前に食べておいて、その期間は狩りに集中するんですね。
そしてホーディアを食べて狩りに出かけて、獲物をしとめて帰還するというのが、サン族の成人男性としてのイニシエーション(通過儀礼)でもあるようです。
何年か前にフランスのある製薬会社がこのホーディアに目をつけてダイエット用の錠剤として売りに出し、乱獲してしまうという事件がありました。
サン族にとって大切でイニシエーションに欠かせない神聖な植物ですから、本当に彼らは困っていたようです。
結果として訴訟になり、その製薬会社が売り上げの何パーセントかをサン族に還元するということで和解したようですが。
こんなふうに南アフリカの人々は太古の昔から植物と実にうまく共生してきたんですね。
その生活は実に興味深くて、実践的な知恵に満ちています。
そんなことを話す講座にしてみたいなと今から本当に楽しみです。
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