三日目はいよいよ今回のメインの目的でもあるカトマンドゥの語学学校「ALL BRIGHT」にてのライブ。
カトマンドゥには日本に来たいという気持ちを抱きながら日本語を学んでいる語学修習生がたくさんいます。
「ALL BRIGHT」のあるプタリサダックは通りに面しておよそ10以上の語学学校があり、時期にもよりますが500~1000人くらいの学生達が常時日本語を学んでいるようです。
彼らは大使館の面接をパスした後に日本の各地にある日本語学校に進学し、留学生としての生活をスタートさせます。
日本に対して希望と夢を抱きながら日々一生懸命に日本語を学んでくれている学生達がカトマンドゥにたくさんいる。
日本を発つ前から想像しただけで嬉しくなってしまいました。
彼らに会うのが本当に楽しみでした。
始業前にオフィスに入ると、校長であるパンデイさんが僕のことを待ってくれていて、校長室に通してくださいました。
日本にいる留学生の現状や日本で活躍している卒業生のことなどさまざまな話をしていると、そこにクリシュナ先生がある男性を連れて入って来たのです。
なんとなく見覚えがあるなと思いながら握手を交わすと、なんと彼はネパールの著名な歌手であり作曲家でもあるナラハリ・プレミーさんでした。
民謡のメロディーを大切にしながらもポップで時にクラブミュージック的なビートも使う彼のキャッチーな楽曲は若者を中心にネパール中で人気があります。
近くで事務所をかまえるナラハリさんをクリシュナ先生が誘ってくれていて、僕とのセッションを熱望してくれているとのこと、飛び上がりたくなるくらいに嬉しくなってしまいました。
教室に向かうとすでに60名ほどの学生たちが待ってくれていました。
みんな目がキラキラしていて、やっぱり未来への希望で満ちあふれているんですね。純粋なオーラをそれぞれに感じました。
自己紹介と日本とネパールの文化的なつながりやヒンドゥー教と日本の仏教とのつながり(サラスバティ=弁財天、ラクシュミ=吉祥天、シヴァ=梵天)などをお話させて頂いた後に日本の唄として「リンゴ追分」をソロで演奏させて頂きました。
静かにでもとっても高揚した空気でしっかりと聴いてくれていました。
そしていよいよナラハリさんとのセッションです。
まずはネパールの国民的民謡歌手であるケム・ラジ・グルンさんの「wari jamuna pari jamuna」をいっしょに演奏させて頂きました。
wariというのは河の手前側、pariというのは河の向こう側という意味で文化や風土の多様性を唄ったゆったりとした美しい民謡です。
ネパールは大人から子供まで唄える宗教歌や民謡が本当にたくさんあって、全てに踊りがついてます。
つまり、その場にいる全員が唄って踊れるダンスミュージックが何百とあるんですね。
これは本当に素晴らしいことで、誰かが唄いだせばすぐに場の一体感と高揚感が生まれます。
世代を超えて音楽と伝統が愛されているという、ネパールの本当に素敵なところです。
そして二曲目は「Dhori」という、掛け合いの歌。
これはその場の雰囲気で即興で歌詞が積み重ねられていく曲で、よくお祝いの席などで演奏されるようです。
ナラハリさんと学生の掛け合いで、およそ20分ほど続きました。
最後に僕も日本語で即興で歌わせてもらいました。
演奏が終わった後は学生ともナラハリさんともすっかり仲良くなっていて、余韻にひたりながらナラハリさんの事務所にみんなで移動して歓談。
記念にネパールの帽子とスカーフを頂き、本当に彼らの純粋な歓待の心に感動してしまいました。
ネパールと僕の素晴らしい交流がスタートしたなという実感が湧きました。
またすぐに行くと思います。
最後にグルンレストランで校長とナラハリさんと記念撮影した時は、完全にネパールのグルンさんになりきってしまってましたね(グルン姓をなのるグルン民族はもともと仏教徒、日本人に良く似た顔立ちをしています)。
気がついたら右手でカレーをすくって食事してました。
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